【書評】社内営業の教科書(高城 幸司)


著者は同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社し、6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれたことがある『らしい』。現在は人事コンサルティング会社である株式会社セレブレインの代表取締役社長を務める。
他にも著作を持っており、そのうちのひとつの題名が「課長から始める社内営業の教科書」。社内営業が大好きな人のようである。

株式会社セレブレイン
http://www.celebrain.com/

「課長」から始める 社内政治の教科書

内容としては非常に薄っぺらく、読む価値のなかった本だったなという感想が強い。サイコパス系の経営者で大きな問題を個人及びその組織の内に孕みつつも、企業経営者としては大成功を収めるような人物が多いことはなかなか外では口に出せないものの、社会人としての経験があるのであれば周知の事実であると思う。そういったいい部分と悪い部分を共存させるような経営者からいい部分だけを抜いたような、中途半端なものを著者から感じる。

社内営業というものの、要は「いかにして他者を利用するか」に終始しており、本当に相手のことを考えた行動は皆無である。無礼な人間よりは顔が広くなると思うが、本物の経営者はこういった人間こそ一発で見抜いてくると私は思っている。事実、リクルート時代に「伝説のトップセールスマン」であったにもかかわらず、リクルート退職後の話は一切でてこない。

ただ、このような「社内営業」にフォーカスした著書は少ないことも事実であり、社内営業をはじめるきっかけにはいいのかもしれない。他の人にモノを頼む時に気をつけるべきこと、のような使い方はできるであろう。しかし、この本に書いてあるようなすぐに見破られる、人を利用することしか考えていない社内営業では社内の出世レースから外れていくことは間違いないであろう。