【書評】兵神装備が進める 中小ものづくり企業のブランド戦略 (高瀬篤夫・名取隆)


著者は兵神装備株式会社ブランドマネージャーの高瀬篤夫氏と、立命館大学大学院テクノロジー・マネジメント研究科教授の名取隆氏。名取氏の研究対象は中小企業の経営戦略論、技術マーケティング、新製品・新事業開発、製造業のブランド戦略。

この本の中には大きく分けてふたつの内容がある。
ひとつは兵神装備は他の独立系中小企業と何が違い、いかにしてが成功を収めたか。もうひとつは、兵神装備のブランド戦略の優秀製とそれを可能にしている組織について。
前半は対して面白くない。さまざまなマーケティング用語を使い分析されているが、要は創業者が商売人として異様に優秀であっただけ。

面白いのは後半。日本の中小企業がブランディングなどという言葉に興味のない1999年にBIP(ブランド・アイデンティティ・プロジェクト)を社内で開始し、ブランドマネージャーを置いた。
しかも、製品は製造業における、ポンプというブランディングしにくい、またはブランディングする必要など無いと思われているようなものである。
結果、兵神装備のヘイシン・モーノポンプ、及び兵神装備株式会社はグッドデザイン賞をはじめとする賞を数々受賞することになるのだが、本著には実際に使用された資料や実際の事例が豊富に含まれており、いかにして兵庫のポンプ屋がブランディングを行ってきたか、またそれによりどのような実益を手にしてきたかが詳しく書かれている。