【書評】世界一早く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか(ピョートル・フェリークス・グジバチ)


著者のピョートル・フェリークス・グジバチ氏はポーランド生まれ、ドイツ、アメリカで暮らした後2000年に来日、ベルリッツ、モルガン・スタンレー、グーグルと勤めた後に独立してコンサル企業を起業(もう1社起業したようだが割愛)した人物。
敢えてぼかしているのかわからないが、Google入社は2011年だが、退社年については本文及び著者略歴に記載はないので分からない。

買って本当に損をしたと思った一冊。
主題にある「世界一早く結果を出す人」とは誰のことなのか最後まで不明。Google社員のこと?それとも著者のこと?
主題より大きく書かれている副題は「あのGoogleが社内でやっている神速仕事術57」だが、前述の通りグーグラーといえるような経歴ですらない。
100歩譲って元グーグラーだとしても、この副題で客寄せしておいて「これは私がモルガン・スタンレーに居たときの話だが・・・」は無いだろう。

他にも本文の中に何度も小さな矛盾が有りイライラする。
例をあげると以下のような文章がある。

キーボードのショートカットをたくさん覚えて1分1秒短縮したからといって、劇的な変化はおきません。
そもそもなぜ効率化するかと言えば、仕事を1時間早く終わらせることがゴールではありません。時間を効率的に使うことで、より大きな仕事をし、より多くの人の役に立ち、その分利益も上げること、これが本来の目的です。
そういう視点から考えれば、「1分1秒短縮する」ことの無意味さを感じてもらえるのではないでしょうか?

そして、以下の文章がすぐ後にある。

コンビニで小銭で支払う人は時間がかかる。後ろに並んでいる僕は、Suicaをピッとかざすだけです。ムダな1分、ムダな3分を集めていけば、1日で1時間くらいにはなるはずです。1日1時間なら、1ヶ月で30時間、1年で365時間。それだけあれば、かなりのことができるはずです。

内容はあちこちのコンサル本やライフハック本の寄せ集めでなんら目新しいものはない。日本人はマッキンゼー本に毒され過ぎ、と主張した舌の根も乾かぬうちにSWOT分析がー、とある。

これも腐るほど耳にしているが「ギブ&テイク」ですらなく「ひたすらギブ」だ、と主張しているが「必ず返してくれる」などと期待感大で、ある意味正直ではあるが「ひたすらギブ」とは矛盾している。

「インパクトがあり社内で目立つけれど、学びの少ない業務」はやりたい人がいっぱいいるから投げて自分は自由になれ、これがギブなのだろうか?
飲み会や交流会では最終的に自分が輪の中心にいるのが正しいらしい。ギブであれば誰かに花を持たせるのでは?

全体的にスピードハックの内容は半分ほどしかないし、主題である「メールを使わないのか」を言及しているのは1割ほど。
終章の最後ではポーランドの歴史について語って終わり。

数えるのも面倒なので数えていないが、神速仕事術57とあるが、57あるのかも疑問が残る本。