【書評】財務3表一体理解法(國貞 克則)

【著者紹介】
著者は1961年岡山県生まれ。東北大学機械工学科卒業後、神戸製鋼所入社。海外プラント建設事業部、人事部、鉄鋼海外事業企画部、建設機械事業部に従事。1996年アメリカがっ週校区クレアモント大学ピーター・ドラッカー経営大学院でMBA取得。2001年に会計研修及び、リーダーシップ研修をメインとするボナ・ヴィータ コーポレーションを設立。現在は日経ビジネススクールなどで公開セミナーやeラーニングの講座を担当している。

ボナ・ヴィータ コーポレーション
http://www.migiude.com/

【書評】
改訂前の初版は2007年3月で、それから10年に渡り読み続けられているベストセラー。会計士でない著者(とはいうものの、MBAを取得しているため当然素人ではない)による、新しい会計勉強法。テーマはズバリ「会計の全体像と基本的な仕組みをまずザックリと理解する」。私自身、会計が非情に苦手で、何度か会計の本に手を出したこともあるが最後まで読めた試しがなかったが、この本は最後まで、しかも楽しむ読むことができた。厳しい言い方をすると、この本を読んだからといって会計のプロになれるどころか、入り口に足を踏み入れるぐらいのものだとは思うのだが、それにしても、会計に対するアレルギー値を減少させてくれたような気がする。会計の専門家になるつもりはないが会計の勉強をする必要があり、その上、会計は苦手だという人におすすめの一冊。

【抜粋/まとめ】
簿記・複式簿記・試算表・財務諸表
簿記という言葉がありますが、これは帳簿に記帳するという意味です。複式簿記という簿記の方法で、伝票を帳簿に記帳していくルールを仕分けと言います。すべての伝票を帳簿に記帳したものを試算表と言います。この試算表を使って一事業年度に一度、財務諸表が作られます。

基本財務3表
損益計算書(PL)
貸借対照表(BS)
キャッシュフロー計算書(CS)

財務3表一体理解法の特徴
「簿記・仕分けをすっ飛ばして」日々の伝票がPL、BS、CSのどこに記入されているかを追いかけていく。仕訳帳を使って伝票の仕分け作業をするのではなく、PLとBSの中で直接仕分を行い、それに現金の動きを表すCSをセットで勉強するというもの。そして、この財務3表を一体にした勉強法を使うことで、会計の全体像と基本的な仕組みが理解できるだけでなく、時価会計・減損会計・税効果会計・退職給付会計・自己株式の取得(金庫株)といった複雑な会計も、その仕組が手に取るように理解できる。

すべての会社に共通する3つの活動
お金を集める→投資する→利益を上げる
財務3表に書かれているのは、誤解を恐れずに言えばこの3つの活動のみである。
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BSの左右に表されているもの
BSの右側にはその会社が「これまでにどうやってお金を集めてきたか」ということが表されていて、BSの左側には「集めてきたお金を何に投資したか」が表されています。

PLとBSの数字は必ずしも現金の動きを表すものではない
PLとBSの中には円単位の数字が記載されています。私たちは子供の頃から、円単位の数字が入った表は収支計算書しかみたことがありません。お小遣い帳も家計簿も収支計算書です。収支計算書の中野数字は、すべて現金の動きを表しています。しかし、PLとBSの中の数字は必ずしも現金の動きを表すものではないのです。

CSは事業年度ごとの現金の動きが簡単に分かる表
日本では2000年3月期決算から、上場会社等の有価証券報告書を提出する必要のある会社に対して、キャッシュフロー計算書(CS)の作成が義務付けられました。
CSはCash Flow Statementの略で、直訳すれば「現金の流れ計算書」となりますが、我々の使っている言葉で言えば「収支計算書」です。収支計算書には現金の出入りが表されており、お小遣い帳も家計簿も、現金の出入りを表す収支計算書です。
一般的な収支計算書は「収入」「支出」「残高」の3つの欄に分かれていますが、会社が作る収支計算書は「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」という3つの欄に分かれています。
全ての会社に共通する3つの活動に比較すると以下のようになります。
お金を集める=財務活動によるキャッシュフロー
投資する=投資活動に寄るキャッシュフロー
利益をあげる=営業活動によるキャッシュフロー

BSとは左右がバランスするからバランスシートなのではない
BSとはBalance Sheetの略であり、よく「左右がバランス・平衡するからバランスシート」と言われますが、こう覚えると理解が深まりません。Balanceとは英語で「残高」という意味です。バランスシートとは「財産残高一覧表」という意味なのです。現金の残高はいくら、固定資産の残高はいくら、借入金の残高はいくら、資本金の残高はいくらというように、会社の財産の残高一覧表だからバランスシートなのです。
ですから、BSには必ず日付がついています。それは、日付を特定しないと財産の計算ができないから当然のことです。

BSの左右
BSの左は資産の部と呼ばれ、流動資産と固定資産からなりますが「集めてきたお金が何に投資されているか」ということになります。右は負債の部及び純資産の部からなり、負債は流動負債、固定負債、純資産は資本金、利益余剰金からなり、つまり、「これまでにどうやってお金を集めてきたか」ということになります。
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資本金は返さなくてもいいお金
負債の部の中の、純資産の部の中に、「資本金」というものがあります。この資本金のことを勘違いしている人がたくさんいます。例えば、みなさんの会社に株主のAさんが1千万円の資本金を入れてくれていたとして、このAさんがたまたま急に現金が必要になった場合、みなさんの会社にノコノコとやって来て「資本金1千万円を返してください」と言うわけではありません。
資本金というものは会社が株式を発行して、株主に資本金として注入してもらいます。つまり、株主は株式を持っているわけです。もし、みなさんの会社が上場している会社であったなら、株主Aさんは自分の持っている株式を株式市場で売却して、その売却時点の株価にあった現金を受け取るということが起こるだけなのです。
このとき、会社の中では何も起こっていません。会社の外で、株式の売買によってみなさんの会社の株主が、Aさんから他の人に代わったということが起こるだけなのです。
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会社の株価が2倍になったらBSの資本金は?
「会社の株価が2倍になったら、BSの資本金も2倍になるのですか」という質問を受けたりしますが、会社の株価が2倍になっても資本金は何ら変化しません。株価が2倍になっているというのは、会社の外の株式市場で株式の価値が2倍になっているということに過ぎないのです。ただ、みなさんの会社がどこかの会社の株を保有している場合に、その会社の株価が2倍になれば、期末に「評価替え」という作業を行う必要があります。

会社がお金を集めてくる方法は3つある
多くの会計入門書には「会社がお金を集めてくる方法は、他人から借りる方法と、資本家から資本金として入れてもらう方法の2つがある」と書いてあります。私たち会計の素人はそれをそのまま鵜呑みにするから会計がどこまでいってもわからないのです。
会社がお金を集めてくる方法は、実は3つあります。それは、「他人から借りるという方法」「資本家から資本金として入れてもらう方法」、この2つの方法に加えて「自分の会社が稼ぎ出す」という3つ目の方法があるのです。つまり、自分の会社が稼ぎ出した「当期純利益」がBSの右下に表されている「利益余剰金」に積み上がっていくのです。

「総資本」「総資産」「自己資本」「他人資本」
BSの右側の総額を「総資本」と呼ぶことがあります。負債の部と純資産の部の合計のことです。
BSの左側の総額を「総資産」と呼ぶことがあります。資産の部の合計のことです。総資本の額と総資産の額は常に同じです。
また、純資産の部のことを「自己資本」、負債の部のことを「他人資本」と呼ぶことがあります。自己資本と他人資本を足したものがBSの右側全体の総資本です。

BSの目的
PLの目的はその期の正しい利益を計算することです。では、BSの目的とはなんでしょうか、BSを作る目的は複数あるのですが、重要な目的のひとつは、会社の正味財産を計算することです。
BSの目的を説明するために、まずは個人の正味財産を計算する方法について考えてみましょう。
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個人の正味財産を計算しようと思えば、まずあなたが持っている資産を現在価値で積み上げていきます。現金は今いくら持っているか、預貯金はいくらあるか、言えや自動車の現在の価値はいくらかといった具合です。これらの資産をあなたが元々持っていた現金、つまり手金(てがね)で全て購入していたのであれば、これらの資産はすべてあなたの財産といえます。しかし、例えば家とか自動車とかをローンを組んで、つまり借金をして買っていて、その借金をまだ全く返済していないとすると、あなたの資産がすべて自分の財産とは言いにくいですよね。
あなたの現在の正味財産を計算しようと思えば、図の真ん中にあるように、あなたが現在持っている資産の現在価値から、あなたが抱えている借金の残高を差し引かなければなりません。この資産から借金を差し引いたところがあなたの正味財産というわけです。

また、この構造こそがBSなのです。図の中の一番下がBSです。BSの「純資産の部」は、以前「資本の部」と呼ばれていました。昔会計を勉強した人は「負債と資本を足すと資産になる」と勉強しました。これはこれで間違いないのですが、2006年5月に会社法が施行されたのを機に、そもそものBSの考え方に基づき、資産から負債を引くと、会社の正味財産である純資産と呼ばれるようになったのです。

試算表及びPLとBSの関係
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全ての伝票を複式簿記で記録したものを試算表といいます。試算表は必ず右側の合計と左側の合計が一致するように記帳するルールになっています。これは複式簿記の仕訳の基本的なルールです。
この試算表はすべての伝票が記帳されているものですから、会社のお金の動きのすべてがわかります。会社がお金を集めてくる方法は3つしかありません。それは他人から借りるもの(負債)、株主から資本として注入してもらうもの(純資産)、そして自分の会社が稼ぎ出すもの(収益)です。これが試算表の右側に表されています。この3つの方法で集めてきたお金が、すでに外部に支払われているもの(費用)と、何らかの形で会社の内部に残っているもの(資産)の2つに分類して表されているのが、試算表の左側なのです。
そして、この試算表を真中から上下にパカっと2つに分けると、上が貸借対照表(BS)、下が損益計算書(PL)になります。BSとPLという2つの表を作るために、複式簿記という方法を使って、すべての伝票の仕訳を行い、試算表を作っているのです。
ここで覚えておいておいていただきたいのは、BSとPLはつながっているということです。図の右下にあるPLの右側全体が収益です。収益より費用のほうが少なければ、黒字の当期純利益になります。そして、この当期純利益という自分の会社が稼ぎ出したものが、利益剰余金としてBSに積み上がっていくのです。当期純利益と利益剰余金としてつながっているのは当たり前ですね。そもそも試算表の重なり部分が、PLに現れる時ときには当期純利益となり、BSに現れるときは利益剰余金になるのですから。

PLとBSの時系列的なつながり
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もし、会社の事業がすべて現金商売で、稼ぎ出した当期純利益を現金のまま会社に残していたとすれば、BSの右側を利益剰余金が押し上げた分だけ、BSの左側では現金が増えるということになります。この関係が毎年毎年続いていくわけです。「BSは経営者の成績表」などといわれたりする理由のひとつは、ある事業年度のBSの利益剰余金のところを見るだけで、その会社が過去に利益をあげ続けてきたのか、それとも赤字を垂れ流してきたのかがだいたいわかってしまうからです。毎年利益を揚げ続けていると利益剰余金がどんどん積み上がってきて増えていきます。逆に赤字を出し続けると利益剰余金がしだいに少なくなっていき、純資産の部全体が小さくなっていくのです。

CSの構造
CSとはCash Flow Statementの略です。CSは収支計算書、会社の現金の出入りを表したものです。現金の出入りをあらわす表という観点から言えば、本質的には家計簿と同じです。ただ、家計簿など一般的な終始計算は「収入」「支出」「残高」の3つの欄に分かれていますが、会社が作るCSは「営業活動によるキャッシュフロー」「投資活動によるキャッシュフロー」「財務活動によるキャッシュフロー」という3つの欄に分かれています。
日本では2000年3月期決算から、上場会社等の有価証券報告書を提出する必要のある会社に対してCSの作成が義務付けられましたが、中小企業などはCSを作る必要はありません。
日本の多くの会社は、昔から「資金繰り表」なるものを作ってきました、資金繰り表は法律で定められた書式がありませんので各社各様に作っていますが、一般的なフォームは以下の図のような形です。
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一番上の枠が「経常収支」です。現金売上や給与・賞与等の支払いなど、形状的な現金の出入りが記載されています。その下の枠が「設備等収支」、これは設備を買ったり売ったりしたときの現金の出入りです。一番下の枠が「財務収支」、借金をしたり、それを返済したりしたときの現金の出入りが記載されています。会社によっては設備等収支が割愛されている場合もありますが、一般的なフォームはこのような形です。

図の左の表と、一番右の資金繰り表を比較してみると表の構造はよく似ていると思います。CSは資金繰り表と同じ構造の表で、1年間の現金の出入りを表しているものですが作成の目的が違います。資金繰り表は日々の決済のお金が足りなくなったりしないように、現金の動きを整理しておくために作るものですが、CSは財務3表のひとつとして、1年間の現金の出入りを説明するために作るものなのです。

CSの2つの作成方法「直接法」と「間接法」
CSの作り方には「直接法」と「間接法」の2つの方法があります。直接法は読んで字のごとく、日々の現金の動きを直接積み上げて作ります。すべての伝票を単式簿記を使って、つまり現金の動きに従って整理すれば直接法のCSができあがります。しかし、会社の伝票は複式簿記によって整理され、PLとBSになっています。せっかくすべての伝票を複式簿記で整理しているのに、同じ全ての伝票をまた一から単式簿記で整理しなおすのは大変な作業です。そこで、すでにできあがっているPLとBSの数字を使って、間接的に現金の動きを計算するという方法で作るのが間接法のCSです。PLの税引前当期純利益を起点にして、現金の動きがないのに利益を増減させた要因を足し引き計算して、実際の現金の動きを計算するという方法で作るものが間接法です。

財務3表の5つのつながり
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【A】PLの当期純利益は、BSの純資産の部の「利益剰余金」とつながっています。正しくいえば、PLの当期純利益は、BSの利益余剰金の中のひとつの項目である「繰越利益剰余金」とつながっています。
【B】BSの右側は「これまでにどうやってお金をあつめてきたか」を表し、左側はそれが「今どういう形に変わって会社の中に存在しているか」を表しており、BSの左右の合計は一致します。
【C】直接法CSは、その期の初めから現在までの実際の現金の動きを、営業CF(キャッシュフロー)・投資CF・財務CFに分類して表記した収支計算書です。したがって、現金の動きを計算した最後の項目、つまりCSの一番下の「現金の残高」は、会社に現在ある現金の額を示しています。このCSの一番下の「現金の残高」と、BSの一番上の「現金」は一致します。なぜなら、BSの左側は、その時点に会社が持っている資産を表していて、その時点で会社が現金の形で持っている資産が、BSの左側の「現金」だからです。
【D】間接法CSは、Pの「税引前当期純利益」を起点にして、現金の動きがないのにPLの利益を変動させたものを足し引き計算して、実際の現金の動きを求めるものです。そのため、間接法CSの一番上には、PLの「税引前当期純利益」が書き写されます。
【E】間接法CSの営業CFと、直接法CSの営業CFは一致します。計算方法が違うだけで、同じ現金の動きを表しているのですから、この2つの数字は一致していなければおかしいのです。

財務会計と管理会計
「財務会計」とは企業外部の関係者に対して企業の情報を提供するためのもので、「管理会計」は企業内部の経営者たちに経営管理のための情報を提供するためのものです。財務会計については、会社法や金融商品取引法などの法令や規則によって、作成方法が細かく規定されています。対外的に公表されるものですから、企業外部から信頼されるものでなくてはなりませんし、また他企業と比較ができるものでなければなりません。
一方、管理会計は各会社の経営者のニーズに応じてさまざまな会計情報が作り出されます。その意味では、管理会計の書式は会社の数だけあるとさえ言えます。また、管理会計は大きく2つに分類することができます。ひとつは将来のための「計画会計」で、もうひとつは実績を把握したり、管理したりするために使う「統制会計」です。
会社で目にするお金に関する表は、大半が管理会計の表です。中期・長期の事業計画、各事業部や各支店の売上・利益の年度契約と実績管理票などは管理会計の諸表です。費用の内原料費など売上の増減に比例して変化する費用を変動費とし。社員の人件費など売上が増減しても変化しない費用を固定費として、利益を管理したりします。この考え方をベースにして損益分岐点の分析を行ったりすることも、すべて管理会計の範疇です。

利益額と現金残高はなぜ同じにならないか
PLの利益が5000万円あるということは、現金が5000万円あるということではありません。PLの利益が現金の額を表していないのには大きく2つの理由があります。
ひとつめの理由は、PLはその期の正しい営業活動を説明するために、売掛や買掛の商売のように、現金の動きのない売上高や仕入高が計上されるからです。
ふたつめの理由は、PLには会社がお金を集めてくる借入金や資本金と言った現金の動きは一切現れないからです。さらに、パソコン購入などの投資のためのお金の動きもPLには一切表れません。このような理由から、PLの利益は、現金とは一切関係のない数字になっているのです。

人間の価値、知恵の価値は財務諸表に出てこない
人間の価値に関して財務諸表に現れるのは、給料や退職金の金額だけです。人間の価値は給料の金額だけで決まるものではありません。日本の会社の場合、社員同士の給料が何十倍も差がつくことはありませんが、社員同士のアウトプットの差が何十倍ということは珍しいことではありません。しかし、そのような人間の能力や情熱に関する価値は財務諸表のどこにも出てきません。また、特許権などの知的財産、知恵の価値も企業にとっては大切ですが、財務諸表にはBSの「無形固定資産」の項目に特許の取得費用が計上されるだけです。さらに言えば、会社というものには、製造ノウハウや営業ノウハウなど、過去の先輩たちが営々と築き上げてきたノウハウや知恵や信頼と言ったものがたくさん詰まっていますが、財務諸表上には全く表れてきません。将来の成長力を診断するうえで欠かせない判断材料である社員の価値や知的財産の価値は、財務諸表の数字に現れないことをよく理解しておいてください。

減価償却の考え方
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定額法の耐用年数5年の償却率は0.2です。定率法の耐用年数5年の償却率は0.4です。定額法と定率法は自由に選択できます。定率法を使ったほうが、期の早いうちにたくさんの費用を計上できるわけですから、利益がたくさん出ているような会社は定率法が有利かもしれません。一方、会社の起ち上げに苦しんでいて、期の早いうちは費用を押さえたいと思っているような会社は定額法がフィットしているでしょう。
ただ、建物・建物附属設備・構築物・無形固定資産などは無条件で定額法が採用され、定率法を選ぶことはできません。

耐用年数における税法と会計の考え方の違い
税法の目的は公平に税金をとることですから、各社が勝手に耐用年数を決められては困ります。したがって、財務省令によって、皆が使用すべき法定耐用年数が決められています。
会計の目的は会社の正しい状況を伝えることです。例えば、同じ機械装置であっても会社によって使用状況は違います。昼間8時間だけ使っている会社もあれば、24時間フル稼働で使っている会社もあるでしょう。当然、同じ機械装置でも使用状況が違えば、現実的な耐用年数も違っています。ですから、会社の正しい状況を伝える会計の世界ではその会社の使用状況に合った耐用年数を決めるべきなのですが、いくら会計の世界で耐用年数を使用状況似合わせて決めてみても、税金を計算する場合には、財務省令で定めた法定耐用年数が使われます。そういう事情があるので、一般的には会計の世界でも、税法で使う法定耐用年数を横滑りで使っているというのが実情です。

連結対象の会社
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「子会社」と「関連会社」を合わせて関係会社といいます。

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子会社と関連会社の範囲は概ね上図の通りとなるが、複雑な持ち株形態の場合は注意が必要。